ランニングコストにこだわる。

 山のトイレはサンマートイレといって外国製のトイレである。 便器の中にドラム
が組み込まれていてそこにピートモスを入れてある。ピートモスとは大昔のコケが堆
積して出来たもので土壌改良などに使う園芸用資材であり、園芸店やホームセンター
などで売っている。
 ピートモスに混ぜて大便の分解菌も入っている。 大便をしてドラムを半回転して
中のピートモスに包んでおく。そうすると菌が自然に大便を分解して無機化してくれ
るのである。 その無機化したものを弱いヒーターで乾燥化させそれを裏の決まった
場所に捨てている。それを貯めていずれ肥料として使えるのである。 無機化して乾
燥したモノは匂いもしないし、捨てても銀バエなど一匹も飛んでこない。完全に無機
化出来ているのである。捨てたあたりの土には分解菌が生きているので、それをまた
ピートモスの混ぜて使えばよい。ランニングコストは時々ドラムの中に足していく
ピートモスと弱いヒーターと臭気を排気するシロッコファンを回す電気料金だけで済
む。 便所の中で匂いはまったくといってよいくらいしない。水洗便所は大便をした
ときとかその後しばらく匂うが、不思議なことにそれもまったくしない。 良い事尽
くめだが、欠点もある。多人数用としては使えないということだ。山の家の場合は
二、三人用である。一度にたくさんの便をした場合、菌の分解能力が負けてしまうか
らだ。

 山では水も水道水ではない。山の中腹に行政の井戸がある(地滑りを防止するため
行政が井戸を掘って水抜きをしている)その井戸水をパイプで引いてきて飲んでい
る。夏はビールが飲み頃に冷えるほど冷たい。
 煮炊きするにはプロパンガスを使っている。しかし、いざという場合には薪を用意
してあり、カマドやヒチリンもあるし、風呂も薪で沸かすことが出来るようになって
いる。冬の暖房には薪ストーブも用意している。
 さすがに電気と通信だけは自前とは行かない、電気料金、パソコンのADSL使用料金と携帯電話料金は振込みをしている。

 昨日に引き続き・・・
 たしか梅原氏は以前臓器移植問題の委員会の委員の一人で唯一脳死後の臓器移植に反対された。日本人の死生観において脳死を死として受け入れることは不自然であるということと、他者の臓器を移植してまで生き延びる倫理観も日本人には馴染まないと考えてのことだったと思う。個人的にはこの考えには肯けるものが多いのだが、日々発見されたり、確立されるテクノロジーの革新の一つ一つをを受けいれる受け入れないは、やはりそれは個人のレベルでの選択でするしかしょうがないような気がする。
 個人的にはこの先他人の臓器移植を受けてまで長生きしたいとは思わないが、これが息子とか孫達が、もし自分が脳死していて移植で彼らが何とかなるなら・・・という場合などを考えると、それもありか・・・となってしまいそうである。そのような原則がない、曖昧さこそが自分が近代的な人格である証拠のような気がするのである。そしてそれは思考においても同じで、やはり原則的なものがなく、考えを継ぎ足し継ぎ足ししてやりくりしている。道徳も宗教もやはり継ぎ足し継ぎ足しで取り入れ、また排除して生きている。今エホバの証人の人達のように、輸血にしろ他人のもの(血)を自分の中に受け入れるのはお断り、というのはたしかに原則が通っているが、それは近代的な生き方からは遠い。どこまで行っても完璧とならない科学を信じて生きるなら、部分部分で是々非々的な生き方しか情けないが出来ないと考える。
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