蝋燭の灯

 先日のキャンドルナイトの日以来蝋燭を灯す夜が続いている。
 これは思っていたより良いものだ。 とにかく気持ちが落ち着く。
 山の家には天井に部屋全体を照らすメインの照明があるが、これを灯すのは夕食を食べる時までで、その後は天井の照明を消して横壁に取り付けたあまり明るくない壁灯を灯して過ごしていた。
 これだと気持ちがやわらいでくつろげる。 それをさらに蝋燭の灯りだけにするとさらに暗くなるが、部屋がぼんやりして陰影が逆に部屋に奥行きを与えているような気がする。 それにこれは新しい発見であったが、オフの好きな地元の絵描きの広田郁世さんの日本画をあらためて見直した。 彼女の作品はもともとぼんやりした陰影がある作品が多いのだが、蝋燭の灯かりで見ると、さらにその陰影が増幅され妖しくさえも見える。 日本画とは本来薄暗い光の中で鑑賞するものかもしれない。
 
 今日はボランティアの日だった。 メインの料理がシュウマイだったが、これをみんなに包ますともうメチャクチャで、茶巾絞りのようなものから、袱紗で香典を包んだようなものから・・・自分で作ったものを自分で食え、と笑って言うよりなかった。 しかし毎度ながら楽しい時間だった。 彼らと接していて何時も思うのだが、それにこれは月並みな表現かもしれないが、癒されているのは自分であるのだ、と感じてしまう時がたびたびある。