父の日の電話

 朝四時ごろに目が覚めてしまった。 眠れそうもないのでそのまま起きて食事の用意をする。
 食事を食べ終わって、寝転がってFMを聴いているうちに眠ってしまい、起きたら8時半だった。
 結局7時過ぎに起きたのと同じことになってしまう。

 自宅へ行って薪を切る。 昨日は風があって爽やかだったが、今日は風ひとつな
く、ダラダラと汗が流れ、着ているシャツはべっとりと身体にへばりつく。 それでも午後には予定していた一束の半分を切り終わる。 切った材の中に桜の木が混じっていて、以前だと燻製造りに使うためチップは取っておいたものだが、豚肉のベーコン造りをしていて、完全に火の通らない豚肉を食って、おびただしい蕁麻疹が出て以来燻製造りの熱は冷めてしまっている。

 先の日曜日、夜に携帯が鳴り、首都圏にいる娘からの電話だった。 最近は時々、月に一度ぐらいこちらから子供達に電話することはあっても向こうから掛ることは珍しい。
 居酒屋のようなところからの電話で、誰かがすぐ横あたりでカラオケで唄を歌っているらしいくうるさい事はなはだしい。 娘から今日は父の日、と言われてアレレそうだったのか・・・と思う程度のことだ。
 ネエ、お父さん、いま幸せ?といきなり聞かれて返事に詰まる。
 何と答えようかと一瞬迷ったが、素直に、ああ、しあわせだよ、と笑って答える そうだろうと思っていた、いいなぁ・・・と娘が答える。
 たしか少し前に電話した時に娘は、少し好きな人が出来たみたい、結構年上なのよ・・・と言っていたが、アレレもう振られたのか・・・などと思ってしまう。
 話を聞いてみると、どうもそうではないらしく相手の反応がイマイチで、片思いで終わるかも・・・という話らしい。 ダメンズ・ウオーカーしてきたが、少し良い男!と思えば一回り近く年上で、今ひとつカラマワリというところだろうか・・・酒の席で皆とワイワイやっているのは良いが、そんな最中に急に淋しくなったというところか・・・そんなときに携帯をした相手が父親というのは・・・父親としては嬉しいのだが・・・まあ、まあ、明日があるさ明日がある、でも歌えよ!

 来月陽子さんと連れ立って首都圏へ行って食事でもしながらみんなで顔合わせをすることになり、その段取りを娘に頼む。