年金制度について その2

 夏に入ったと思ったら富山市で午後一時いきなり37度の最高気温を記録した。
 今日はその時間帯にちょうど富山市にいた。 ボランティアの日で、サクラカフェという駅前のランチを出す店の厨房にいた。
 今日のランチのメインの料理が中華のあんかけソバで、フライパンで中華麺を炒めて器に盛り、横の中華鍋から肉と野菜を炒めて片栗でとじたアンをかけたりしていた。 狭い厨房は換気扇を回していたが、当然のことながら冷房などなく、まさに汗まみれの作業だった。
 一緒にランチを作っているのは<ゆうの会>の若者で、中学生から二十歳過ぎまでの学習障害児など集中力がなくそれぞれ軽い知的な障害などを抱えている、今日の彼らの参加人数は少なく男6人、女2人。 その内の一人がタケノコを切っている時、包丁で指先を切って血を流した。同時に3.4人を並ばせて野菜を切っている最中だったが、さいわいたいした怪我でなく、血止めをした後傷バンを張る程度で済んでひと安心だった。
 ここのシステムは彼らも親から貰ってきた参加料を千円払い、ランチを作りその売り上げなどをプラス合算し材料費を引いた額から、それぞれの最後の皿洗いなどを買って出たり頑張りの度合いでその日のお手当てを貰える。
 今日のメニューはあんかけソバ、蒸し鶏と野菜の辛子味噌かけ、ささげとはんぺんの炒め煮、白玉団子とフルーツのデザート、それに豆入り玄米ご飯、豆腐と若芽の味噌汁、これだけでランチ料金は500円で、これは安い。 今日は暑いしお客の出足は悪く料理は余りそうだったので、若者達に食事をさせ、オカズのお代わり自由にしていたら、その後ドットお客が増えて最後、料理が足りなくなり、うれしい悲鳴。 ボランティアの食事はほんの少しのご飯と冷蔵庫の余り物で済ます羽目になった。 今日は指導するボランティアも少なく最低の三人で、オフは中華のあんかけソバを担当した。

 さて、昨日に引き続き年金問題だが、本来年金制度というのは老後に備えて掛け金をしておいて、それを、退職した後受け取る保険制度である。
 しかし、それは現実には、現役世代が現在の高齢者の支給を支えている、いわば縦の相互扶助として行われている。 さらに現在の年金制度のあり方を考え直して、年金制度を横の相互扶助にも適用したらと考えることも出来る。 年金改革は現在の保険制度では保険料で集まるお金が少なく、年金額が多すぎるというアンバランスアン状態にあることが一番問題なので、この年金制度を維持していくためには何らかの形で保険料収入を増やし、給付の総額を減らすしかないのである。 ところがそれを今の観点からだけこの問題を考え、現在から将来にわたって一律に保険料を値上げしていき、一方で給付を漸次減らすというやり方に対して、現実に生活の不平等が進む中で多くの人達が不公平感や不安感を感じるてきているわけである。 現在でもやっと生活しているようなわれわれに対して少しでも負担を軽く出来ないのかと・・・と。
 それに対しては ①低所得層には保険料を値上げせず、富裕層の保険料を累進的にたかくする。 ②貧しい高齢者への年金給付を増やし、年金にあえて頼らなくても良いような裕福な高齢者へは段階に応じて給付を減らす。①もしくは②、あるいは①と②を絡めてるような改革なら多くの人々は不平感のある人々や不安感のある人々もある程度納得できるだろう。しかし、これは年金制度は保険制度である本筋から外れることなのだが・・・
 しかし、たとえ年金でこのような国民間の格差是正をしなくても、勝ち組と負け組みの格差がハッキリしてきて中流層が縮んで来ると、どうしても税金を使っての裕福でない層に対しての社会保障費がかさんでくるのは避けられないことなのである。(つづく)