気になること、いくつか

この間日本中がオリンピックのメダル獲得にTV,新聞などのメディアを中心に異常に騒いでいる間に、気になるニュースがいくつかあった。
 沖縄の宜野湾市の米軍ヘリの墜落事故に関しては、日本の国内で被害が起きているのに警察の実地検分も出来ないという、アメリカ軍から植民地のような扱いを受けている訳だが、当事者以外からは抗議の声が高まらなかったし、当初、日本政府も知らぬ顔をしていた。 この対応ついてはあちこちで批判的に指摘されてようやく日本政府も遅まきながら対応を始めた。 が、こういう問題はすばやい対応が必要なんだ、時期を完全に逸しているんだよ。

 もっとも不気味なのは、鳥インフルエンザウイルスH5N1が中国の複数の農場の豚から検出されたというニュースである。 これまでこのウイルスは主に鳥類の間で感染し爆発的に蔓延していた。 ベトナムやタイではこれまで、このウイルスに感染した人が新型肺炎SARSを引き起こして亡くなっているが、多分ウイルスを含んだ鳥の糞などに直接触れた人などで感染が起きていたと思われる。 しかし、このウイルスが、今回たんに鳥から豚に感染したのが複数検出されているだけなら大事ではないが、もし豚に感染したものが他の豚へと感染をしているなら、深刻な問題である。 この事に関しては中国政府は今のところ何も明らかにしていないが、このことが怖いのは、もし人インフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスと両方のウイルスに感染している豚がいて、それらがその豚の体内で混ざり合って新たなウイルスが出現してしまったと推定されるからだ。 つまりその時点で人から人へと感染するウイルスが出現したと考えられるという事である。 (このウイルス同士が交配することはすでに実験で確認されている) この間のSARS騒ぎではタイとベトナムで34人が感染し、23人が死亡している。 第一次世界大戦の頃流行ったスペイン風邪の場合一年あまりの間に、世界中で数千万人が亡くなっているといわれているが、交通手段が発達し、大都市に人口が集中している現在では、どれほどの人々の間に蔓延するか予想もつかない。 おそらく世界同時に無差別テロが発生した以上の脅威になることは間違いない。

 政府は武器輸出三原則の見直し、武器を日本とアメリカと共同開発、共同生産を検討していることを明らかにした。
 武器輸出三原則というのは①共産諸国向け②国連決議により武器などの輸出が禁止されている国向け③国際紛争の当事国またはそれのおそれのある国向けーーへの武器の輸出は認めないことを67年に日本政府の基本方針としたことである。 ただし、中曽根内閣の時にアメリカへの武器の技術の供与だけは認める改正し、今回これをアメリカ以外の国へも認めるようにしたいという訳だ。 ただし①アメリカが中心的な役割をはたしている②国際紛争を助長しないーー限りにおいて三原則の拡大を認めるとしている。
 しかし、現在誰が見ても、常に国際紛争の中心にいて、それを助長しているのはアメリカなんだがなぁ・・・

  原油価格が高騰し、9月から市売のガソリン価格ももさらに値上げされるという。 イラク戦争の泥沼化のツケがジワジワと遠い日本の我々庶民へもまわってきたのである。 この先石油製品の価格が世界的に上昇し、それが波及すればせっかく出口が見えかけていた世界経済の成長の押さえ込むだろう。 アメリカですでに利上げは始まったが、それが各国に広まり、この先の景気への不安が、この先世界的な株安、さらなる不況へつながる恐れは十分考えられる。

 南海上を17号の後を追っていた台風16号が北よりのコースを取り始め、日本を直撃しそうである。
 なにせこの台風は発生した当時から910ヘクトパスカルとものすごい低い気圧で、勢力も大型である。 中心付近では、55メートルの風が吹いているというから、人も吹き飛ばされるような猛烈さである。 今年は6月頃から、常に台風が日本周辺をウロウロしている。 これまで勢力を張っていた太平洋高気圧が後退し、日本は台風を呼び込みやすい状態である。 地元では九月一日はおわら風の盆で、その日がいわゆる二百十日で、その少し前に来て欲しくないお客が来そうである。   
 収穫を前にした農家の人々は気がきでないだろう。