ハワイ・コナ

 五軒しかない山の部落のうちの二軒の家に夜明け方熊が来て、柿ノ木の実が狙われた。 朝から下のアヤメ婆の家の柿木の枝を切り払って実を落とすのを手伝う。 そんな作業をしていると道路パトロールの車が通ったなぁと思うと、一時間もしないうちに大型のタイヤシャベルカーが来て、一面に道路に落ちた杉葉や枯れ枝を押して谷へ落として片付けていった。 役場職員の携帯からの連絡で地元業者が駆けつけてくれたわけだろうが、携帯の普及もあるが、公共事業が減って仕事が少ないせいか、業者も行政へ良く思われたいのか、対応がやたら早くなった。
 マロ君の散歩に出ると、道の途中まあまあ太い杉の木やナラの木が何本か幹の途中で折れていた。 今年は台風が去っても、台風一過で翌朝カラリと晴れるということがない。 今日も午後も遅くなってからジワリと晴れた空が戻ってきたという感じの一日だった。

 先日人から貰ったハワイ・コナという珈琲を飲んでいる。
 ハワイ・コナを飲むのは今回が初めてである。 癖のある珈琲と聞いていたが、飲んでみるに少々深煎りがしてあるが、まろやかで味のバランスが取れた感じで、意外にも癖が少ない気がする。 知人には珈琲が好きと言ってあるので気を使ってハワイコナの中でも良質のものを送ってくれたのかもしれない。 最近はもらいものの珈琲を飲むことが多くて、以前から好きで飲んでいたオーガニックの<森の珈琲>というのを飲むことが出来ないのが少し残念である。 良い珈琲とは苦さ、すっぱさ、甘さのバランスが上手くとれたモノが最高だと思うが、オフの場合それらがほどほどにミックスしているというより、苦さが強くて、すっぱさも強くて、なおかつ最後に甘さが後を引くように残るのこそが、ベリーグッド!となるのである。 最近ビデオの中古屋で買って見た「ツイン・ピークス」シリーズの中でクーパー捜査官が何度も珈琲を美味しそうに飲む場面を見たが、それだけで幸せな気分になれるものだ。