ブルーマウンテン

 先日単管を組んで骨組みを作っておいた自宅のアケビ棚に垂木の枠を作った。
 植木仕事なので黒いシュロ縄で縛ろうかとも思ったが、縄で縛っても単管では滑るので、垂木スラングという連結専用の器具を使った。 これを使えば単管と垂木が簡単でガッチリ止まりとても便利である。 十年ほど前に植えたアケビの蔓は、横に伸ばす棚がないので上に上にと伸びて、二階の破風板の棟の所まで伸びていた。 梯子を掛けて登り、それらをぜんぶ切り離した。 蔓はワヤワヤに絡まっていて、ものすごい重量だった。 それを半分ほど剪定して切り離し、残りを両側の棚に這わせるように無理に引っ張っておいたが上手く絡まってくれるだろうか・・・。上手く行けば来年の秋あたりには棚からいくつかのアケビがぶら下がる予定だ。 アケビ三つ葉系の紫の花が咲き、同じ色の実がなる普通のものと、バナナアケビといって白い花が咲き、三日月の形の白い実がなる園芸種系のものがある。 アケビの実はたいして美味しいものでもない。 実を収穫するよりも、これから夏にかけて朝の日差しの日除けになってほしい、そのための棚なのである。

 一昨日からブルーマウンテン珈琲を飲んでいる。 ♪らんらんらん〜
 ブレンドしたものではない!ブルーマウンテン豆100%ものであるぞ! この豆は焙煎がきつくなくやや灰色がかった色をしている。 オフがこのようなピュアーなものを自宅で飲むのは初めてである。 神戸から持って来たものだが、彼女の両親が大丸百貨店からわざわざ取り寄せているものを一袋(200グラム)貰ってきたのである。 彼女の両親は昔から珈琲を日常的によく飲んでいて、もう老い先短いので今は高級品を飲んでいるのだそうだ。 彼女の部屋では生協で買うものか、街へ出た時ドトールで買った100グラム3〜400円程度のものである。
 オフは酸味がやや強い珈琲が好きで、自宅ではキリマンジャロや最近流行の有機栽培ものをおもに飲んでいる。 ジャマイカの高地産のブルーマウンテンは、珈琲の最高級品で普通のものの数倍の値段がするが、そのほとんどが日本が買い占めているといわれている。 これまでお店で数度飲んだことがあるが、たしかに美味しいなぁと思うが、その味が数倍のお金を払うだけの値打ちがあるとはどうしても思えなかった。
 珈琲の味は一般的には口に含んだ時、まず適度な苦味があって、その後しばらくして口の奥あたりからジワリと酸味が広がり、飲み終わった後微かな甘みが喉の奥あたりに残るものが最高だと思っている。 ただ珈琲は、食事と大いに相関関係あるから文句なしにこれが最高というモノはないと思っている。 ピザなどのチーズのこってりした味を食べた後は、やや焙煎がキツイ苦めの珈琲が合うし、普通の食事だとオフの場合はデザート味で酸味がほしくなる。
 忙しくないなら珈琲豆は自分の手で回しながらグリグリすりたい。 お湯を沸かし、カップを暖め、珈琲をジワリと蒸らし、ゆっくりお湯を注いで煎れたい。 その過程を楽しみながらひとつひとつこなし、最後にようやく飲むという楽しみにたどり着くのだ。 そしてひとくち口に含んで味わい、ゆっくり飲み下して、大きく息を吐きたい。