「酔画仙」

 夜が明けると雨は上がっていたが、朝のうちはモヤの中に包まれていた。

 今日最後の八朔を食べた。 今月の初め神戸に行く前に余分に一箱買っておいた分が今日でとうとうなくなった。 これで当分、というか来年まで、大好きな八朔を食べるのはお預けとなる。

 少し材木が乾くのを待って午後に自宅へ行き、いよいよ薪切りを始めた。 次に神戸へ行く前の今日から10日間あまりのうちに薪を切ってしまわないと、梅雨になってしまう。 暑くなく爽やかな季節だ、外仕事が一番ハカが行く時期でもある、まあ当分がんばろう。


 韓国映画「酔画仙」を見た。 
 貧民出身で酒飲みで異才な絵を描いた男の生涯を描いた作品だが、オールドボーイに出ていたチェ・ミンシクが主人公を熱演していた。
 奇人にもいろいろあるが、特異な才能を持った人が世間の常識を破りを意識的やるような奇人タイプと、もともと何処かが狂っているような奇人、変人もある。
 芸術でも文学は知能がなければ良い作品を書くことはまず無理だが、絵描きとなると知能のないようなかなりおかしな人でも、その道の特異な才能だけで素晴らしい作品を描くことは出来る。 音楽になると才能があっても、基礎的な面で普段のたゆまぬ練習と努力が必要になって来るだろうから、根気強い意志と努力がどうしても必要だと思われるので本来の奇人では無理だ。 もちろん作家や音楽家の中にも奇人はいるだろうが、いてもどちらかといえば意識的に人々が囚われている常識を揶揄するタイプのいわば確信犯的な奇人で、もともと頭がおかしいような、とんでもない奇人、変人は昔からだいたい画家と相場が決まっている。
 まったくもって画家の中には、さかしく自分勝手ではた迷惑なおかしな人が時々いるものである。

 この画家は100年以上前の人物だが、実際のところどのような人であったのかよく分ってないらしい。 それなら好き勝手な奇人画家を作り上げることが出来るのだろうが・・・この映画で描かれた奇人は常識的な奇人が描かれていた。 常識的な奇人というのもおかしな表現だが、常識で考えての奇人はこういうものだというような範囲での奇人とでも言おうか。 いろんな奇行の裏にはそれなりの理由がある奇人として作り上げられていた。 しかし、実際はどうだったんだろう・・・何というか、理由もなく暴れたり、違教養もなく、支離滅裂なおかしな人だったのではないかという気がするのだが・・・もっともそんな人物を描いていてはマトモな映画にならないか・・・でも、どちらかと言えばそんな奇想天外な奇人の映画を期待して出かけたのだったが・・・しかし、最後の最後に死ぬ場面だけが、少し意外性があったから・・・まあ、いいとするか・・・ぶっぶっ・・・まあ、このようにどうでもいいことを書いて感想としているのも映画としてイマイチだったからだが・・・

 オフの評価転20点