意外なこと

 少し薪切りの疲れが溜まってきている。 朝起きる時にそれを感じる。
 今日も薪を切って、ようやく半分を過ぎたかなぁというところである。 明日薪切りはお休み。 
 というのも友人達と山登りに出かける。 車で一時間ばかり走ったところに標高千メートルあまりあるブナオ峠というブナの原生林が残っているところがある。 そこまで車で行って、峠の近くにある大獅子山という山に登る。 登るといっても標高差150メートルほど登るぐらいである。 山菜などを採りながらぶらぶら歩いて山頂でオニギリを食べよう、帰りには温泉に立ち寄って風呂にゆっくり入ろうという企画である。 薪切りの折り返しに息抜きするにはちょうど良いプランである。


 朝、マロクンと散歩の途中竹林で竹の子採った。 もちろん出かけるときから、今朝はそのつもりでビニールの袋を持って出かけたのだが、マロクンが生の竹の子をバクバク食べた!のには驚いた。 土から10センチや20センチ頭を出しているような竹の子は柔らかく、足で蹴っ飛ばすだけで容易に折れる。 そうするとマロクンがその飛んだ竹の子に跳び付いて、前足でしっかり押さえながら口で皮を引き千切るようにどんどん剥き、中から竹の子が出てくるとかじりついてばくばく食べはじめた。 驚いて一部始終をずっと見ていた。 どうやら一番好きなのは筍の先端に少しだけある甘皮の部分みたいだった。 たしかにあの部分は柔らかくて甘くて美味しい部分だが、少しエグミがある。 でも採り立ての甘皮はエグミはないのかもしれない。 イノシシなども竹の子を食べると聞いていたが、まさか犬が竹の子が大好物だとは知らなかった。 結局、竹の子をその外六本採って帰り、すぐに鍋で茹で上げたが、採り立ての竹の子は五分も茹でるともう柔らかくなっている。 冷まして皮をむき縦に切り、中の水を抜いて冷凍しておいた。


 自宅へ行き薪を切り始めていると、携帯が鳴り出ると弟からだった。 近くに来ているから今からそちらへ行くという。 聞くとイトコの葬式に来たのだという。 弟のイトコは当然兄であるオフにとってもイトコなのだが・・・我が家はそのあたりの関係が少しややこしい。
 今回母親の弟の娘さんが癌で50歳そこそこで亡くなったのだが、われらの母親は離婚していて、母親が弟を連れ子して再婚。 オフは一応父親が引き取ったかたちなので、オフは母親側の親戚縁者とは縁が切れている。 それでも母親の葬式などを機会に付き合いは復活していたのだが、数年前それをこちらから意識的に断ってしまった。  弟は110キロを超えている大デブだが、今回ほんの少しは痩せたかなァ・・・オフの昼飯のうどんを二人で半分分けして食べながら、お互いの近況を一時間ほど話し合った後、しずしず帰って行った。  ここのところ日常のことを淡々とこなすような日を過ごしていてたが、マロクンのこと、弟のこと、ほんのちょっとした意外なことが起きた日だった。