床からアリが

 今日で薪を切り終わる予定だったが、予報では最高気温が29度となっている。
 明日は6度も下がって23度で曇り。 何もあわてて今日中に終わらせることはない。 ということで今日は急遽休養日にした。 真夏日に近い気温まで上がったがフェーン現象特有の暖かい南風は吹かなかった。 それは低気圧が日本海を発達しながら北上したのではなく、東北沖の太平洋上を北上したからだ。
 休養日、終日本を読みながらうとうと寝てばかりいた、というより眠っている合間に本を読んでいたというべきだろう。 連日の薪切りや山登りで身体に疲れが溜まっていたことにあらためて気がついた。

 昨夜風呂へ入ろうとして脱衣所の床の一部がぶかぶかしているのに気が付いた。
 脱衣所には風呂屋に有るような大きな天然素材のマットがひいてあるので気が付かなかったが、まくって調べてみると床板の一部がブカブカである。 足で強くドンドンと何度か叩くと木が裂けて隙間からアリが数匹出てきて、パニックになってウロウロしだした。 床にアリの巣が出来ていた!アリもたしかに大変だろうがこちらも大変である。 アリといってもシロアリではなく普通の大きなアリである。  
 とりあえず風呂に入ってからもう一度見ると、まだ数匹のアリがウロウロしていた。 そのままにして電気を消した後、PCで検索してみると、日本には262種類ものアリがいることが分り、それにはまず驚かされた。  結構大きなアリで黒と赤のまだらだし、木の腐朽部に営巣するとあるから、多分ムネアカオオアリだろうと思う。 今日脱衣所を見に行くともうアリはいなくて足でドンドンやってもアリは出て来ない、どこかへ引越ししてしまったのだろう。 調べてみると15センチ幅の床板の一枚分の20センチほどの間がブカブカで腐っているようだ。 おそらくそこの部分が何らかの原因で前から腐っていて、そこにアリは巣を作ったのと思われる。 この床板はホームセンターなどで売っているツーバイフォーのホワイトウッドを近くの業者に、両横にオツとトツをつけて表面を機械でサンダー掛けして床板にしてもらったものである。 厚さは1センチあり、表面に違う材を接着したり、プリントした工業製品とは違って、材木としてはまあ最安手だが、正真正銘のムクの昔でいう縁甲板である。 たしかにムク材にしては安上がった床材なのだが、ツーバイフォーの材を使った人ならよく分るのだが、捩れたり、反ったりしていて床板として並べて取り付けていくには大変苦労した。 とくに一人仕事だったので、それはなおさら大変であった。 まあ自分でやった仕事なので、根太の割付もおおよその見当が付くし、一部を取り外してまた新たなものを付け直す、その手順もだいたい分る。 この家に住み始めて今年で足掛け三年だが、自然のものを使っているとこのようなことは起こるのはなにも不思議ではないのだ。 
 都合が悪ければそのつど手直ししていけば良いことである。 家に限らずモノというのはそういうものだと思う。 工業製品に馴れた今の人にとっては、買ったときそのモノが完璧であることを要求するのは当たり前のことだと思っているだろうし、手直ししながら長く使うよりも、古くなれば車のように途中でぱっと乗り換える、それが最初から当たり前なのである。 家などに対する考えも車などと同様になってきている昨今である。