古民家ツアー1

 十日間神戸に滞在して昨日の夜帰ってきた。
 今回の神戸ではいつもの滞在と違って、始終出歩いていた。 おかげで滞在した十日間、本を一冊も読めなかったし、映画館に出掛けることもなかった。 彼女の家でビデオを一本見ただけであった。  
 何をしていたのかと言えば、兵庫県内だけでなく岡山県京都府などへも足を伸ばして、ネットで捜した古民家を見てまわっていた。
 まず神戸に行った翌日、さっそく山陽自動車道の岡山県の和気インターまで行き、地元の不動産屋の案内で和気町と佐伯町の古民家二軒を見てまわった。 一軒目の古民家は相当古いもので、天井も手を伸ばせば届くくらい低いもので、当然軒も低い。 流しも土間にあり、それはそのまま最近まで使われていたのだろうが、傷み具合もかなりのものがあった。
 その次に見たのは茅葺屋根だったが、これはかなり時代が下った頃のもので多分昭和のものだろうと思われた。 住んでいたのは大工さん、たしかに家は新しいは新しいが日当たりがもう一つよくない事もあり、どこか魅力を感じない。
 岡山の東中部の美作地方は山間部とはいえ瀬戸内地方の内で、どことなく女性的でやわらかな感じがする土地柄で、そのあたりが彼女は気に入ったみたいだった。
 帰りの高速の途中でハプニングが起きた。 車のバッテリーの警報ランプが灯り、消えないのでサービスエリアでディラーに電話を入れると、それ以上走行しないでレッカーで牽引してもらって最寄りの自動車工場で点検を受けてくれとの返事。 さいわい彼女がその車の任意保険に入っていて、三十キロまでの牽引サービスが付帯していたので、姫路の自動車修理工場まで運んでもらう。 高速道路をキャリアーカーに乗って走ったのは生まれて初めての経験。 結局その後2日間車なしでどこへもいけないで、パソコンで同じような古民家情報を何度も検索するだけだった。 故障はダイナモの不良で、走行中の発電がされていなかったということらしい。