綾部の家

 今日午後7時ごろ神戸から帰った。 お盆が近いのでサンダーバードの自由席は大阪を経つ時点ですでにほぼ満員だった。
 今回東京で二日間過ごした後神戸へ行ったのだが、神戸へ向かう新幹線の中で喉を痛めてしまった。 その後も連日熱帯夜が続く神戸のマンションでは、冷房なしで眠れるはずがなく、元々あまり強くない喉のほうは終始イガイガして痰が絡みっぱなしであった。
 山の家へ帰りついてこれでようやく今夜から冷房の助けを借りない夜を過ごせる。 締め切っていた窓を全開にした山の家に今はタンクトップ姿でいるのだが、これだと少し肌寒いくらいである。
 今回子供達に逢いに行ったのは、一つには長男夫婦に近々ベイビーが生まれるのだが、その様子見というか・・・まあ、息子の嫁は元気そうだった。 離れていてよく知らなかったのだが、一時はかなり早産になるかと危ぶまれた事もあったらしいが、その時期を無事に乗り越えたらしい。 子供はすでに男の子ということが分っていた。
 それにオフ自身も今度神戸の彼女と籍を入れることを報告することと、綾部市で古民家の再生を手がけることの報告もしておきたかった。 食事をしながらそのことを話した。

 神戸に行った翌日、まだ綾部の家を見ていない彼女を連れて車で舞鶴自動車道を北へ向かった。
 途中の丹南笹山口インターで下りて、先に不動産屋から連絡があった倉庫つきの古民家を見に立ち寄る。 写真ではかなりよく見えた物件だったが、現物を見て二人ともガッカリしてしまった。
 お見合いと同じであまり写真をキレイに撮るのも考えものである。 その後いっきに綾部インタ−まで行き、お目当ての家を通り過ぎて故屋岡という山の中の一軒を見る。 これは茅葺屋根だとばかり思っていたが、行ってみると瓦葺であった。 家自体は田の字型の部屋取りで古いものだが、ある時点で屋根を瓦にしたのだろう。 家の中はかなり荒れていたが、まわりの家とも適度に離れているロケーションもよく、かなり気に入ってしまった。
 その結論は置いておくことにして、本命の綾部の上林の家へ向かう。
 彼女とじっくりと家の中や外を見回ったが、前回はあまり気にしなかったが、建物の北側のちょうど床の間にになっている壁面が浮き上がっていた。 壁伝いに雨漏りがしている。 外へまわって見ると、下屋の屋根垂木がかなり痛んでいて、この北面の下屋は瓦を下して下屋やり変え、壁もいったん落として新たにやり変えるしかないと判断した。 後、目立ってひどいのは蔵の内部で、床が腐って抜け落ちていた。 何らかの原因で、多分基礎の部分からだろうが、水が入り閉鎖された空間で湿気が篭もり床が腐ってしまったのだろう。