戸籍

 台風11号が通過した後の8月も終りとなってようやく夏らしい夏が来た感じである。 これまでの8月は雨の降らない日がないくらい毎日雨ばかり降っていた。
 午前中は薪切り、午後からは芝生刈り。 今日でようやくぜんぶ終えて気分も爽快だ。
 その後役所へ行って、婚姻届を出すための戸籍をとった。 婚姻届は全国どこで出そうとよいので、結局神戸で出すことにした。 彼女の籍は今後オフの本籍に入るが、彼女が住むのは今までどおり神戸のままである。 一時法案が通りそうになった夫婦別姓だが、雲行きがおかしくなって、どうやら国会を通りそうもない。 別姓が認められているなら、迷わずそうするつもりだったが残念である。

 その外綾部の家を登記するための住民票と印鑑証明をとる。
 さらについでに新しくスタートした住民基本台帳カードというものをつくる。 写真入り、暗証番号付きで、今後個人情報の入手や個人の証明などにも使えるということらしい。 便利になるが、それで公務員が何人か減るのだろうか?

 戸籍謄本なるものを今回あらためて読んでみた。 長男は戸籍から抜けている。 つまり除籍になっているが、これは彼が結婚したのだから当然のことではある。 また前の妻が死亡したことは記載されていないし、結婚したことも記載されていない。 たまたま子供がいるので、その子の母親として妻がいたことや、その名前が分るだけである。 父や母も亡くなているが、この戸籍上ではそれも分らない。

 今から二,三十年前の話らしいが、子供の取り違えがけっこう多く起きていたらしい。 ずさんな管理をしていた産婦人科医院でのことらしいが・・・しかし戸籍上いったん受理された子供はそれが事実上他人の子供であろうとなかろうと戸籍上はその子は子供であって、それは変えることが出来ないだろうと思う。 少し昔、東北地方の産婦人科医が、中絶するという人を説得して子供を生んませて、その子供を子供が欲しくても出来ない人にこっそりと斡旋していたということがあったが、これも両親が医師の証明書付きで子供が生まれましたと届ければ、届けた親の子供として受理され、そに事実はどうあろうと変更は出来ないだろうと思う。 間違っているかも知れないが、戸籍とはそんなものなのだろうと思う。

 フランスの小話で、シャンソンにもなっているこんな話がある。
 あるとき息子が恋人が出来たと言った。 「どの娘だ教えろよ」とパパが言うので「あの娘だよ」とにこっそり教えると、パパは困った顔をして「あの娘とは絶対に一緒になってはいけない!」と頑固に言いだした。 困った息子はママにそのことを相談した。 ママは「お前がどうしても一緒になりたいなら、その娘と結婚してもいいわよ」とこともなげに言う。  「だってあの娘はパパが他所の女に生ませた娘だというんだよ」と息子が答えると、ママは「大丈夫だよ、じつはお前だって本当はパパの子供じゃないんだから」と答えたとか・・・。